切削工具技術情報   

切削工具技術情報

普段、エンドミルやドリルなどの切削工具を使っていても、意外に、詳しい名称や切削工具のどの部分が加工の際、どのように作用するのか知らない方も多いのではないでしょうか?

数ある切削工具の中から代表的なものをあげて、技術情報をまとめましたので、切削工具の選定や工具の製造、再研磨の際には是非参考にしてください。

 

エンドミルの技術情報

まずは、定番のエンドミルについてお話していきます。

エンドミルといえどもかなりたくさんの種類があります。

エンドミルで加工をするうえで知っておきたい基本的な事から、最適なエンドミルを探すうえで覚えておきたいことをお話ししていきます。

エンドミルの種類と特徴

まずはエンドミルの種類と特徴からみていきましょう。

スクエアエンドミル

エンドミルの中でも最も使用されている定番のエンドミルです。

ラフィングエンドミル

ラフィングの外周刃は凹凸(波型ニック)のため、部分的に切り残しが生じ、切削抵抗が軽減しています(通常エンドミルの15~30%減)。また、滑りが生じにくく、びびり振動も発生しにくいため、ワークが安定しない場合にも使えますが、あくまで仕上げではなく荒削り用に使用されます。切屑も細かく分断され緻密になるため、切屑処理が容易で切屑の排出性も良いと言えます。

ニック付エンドミル

外周刃にニックと呼ばれる細い溝を設けたエンドミルがある。このニックも波状のら外周刃と同じような作用があり、切屑を細かく分断するとともに、びびり振動の防止や、切削抵抗を軽減する効果があります。ラフィングエンドミルよりは仕上がりがよく、荒・中仕上げ用に使用します。

ベストカット

外周刃が波型になっていて、ラフィングエンドミルやニック付エンドミルと同様に、切削抵抗を減らしたエンドミルです。ラフィングやニック付と比べ、さらに仕上がり精度は良く、中仕上げに使用できます。

面取りエンドミルについて

先端がドリルのように尖っているエンドミルです。

通常のエンドミルではできない面取り加工ができるため、面取り工程の段取りを減らすことができます。

 ボールエンドミル(ラフィングボール)

エンドミルの先端がフルRになっていて、R溝などを作る際に使用されます。

テーパーエンドミル(テーパーラフィング)

刃部の先端に近づくに連れ、少しずつ径が細く(テーパー状に)なっているエンドミルです。

テーパーの先がボール場になっているテーバーボールエンドミルも良く使用されます。

 

 

ドリルの技術情報

ドリルの種類と特徴

リーディングドリル

スポットドリル・スターティングドリルとも呼ばれます。センタリング(もみつけ)や穴面取り用に使用します。もみつけとは、ドリルで穴加工をする際、位置精度や穴精度を上げるために行う前加工(下穴)です。先端角は、60°90°120°130°140°、120°×90°(二段角)・・・等があります。ポイント形状は、円すい研削と二段(レーキ)があります。

センタ穴ドリル

センタ穴加工やもみつけに用いるドリルです。再研磨は、刃先のみになります。

フラットドリル

OSGのADFシリーズや、NACHI(不二越)のアクアドリルEXフラットに代表されるドリルです。1本で下図のような広範囲の加工用途で使用が可能で、加工時間の短縮にも

つながります。

ハードドリル

折損したタップを除去するためのサルベージ工具で、タップを破砕、除去します。無垢の深い穴あけには向きません。(タップは、ハイスに限ります)

面取ドリル

面取り用の工具です。1刃、3刃、穴あき等、様々な形状があります。1刃や3刃タイプは再研磨を繰り返すと、切れ刃の位置が中心からずれてきます。(芯ズレといいます)その場合は研磨不可となることもあります。

段付きドリル

ガンドリル

深穴加工を行う専用工具。元来、文字通り小銃や猟銃の穴をあけるために開発された。

ドリル各部の名称と特徴

ドリルの溝フォーム

溝はドリルの性能を決定づけるもっとも重要な要素です。切れ刃で生成された切屑は、先端の溝に沿って排出されますが、切削油はこの切屑とは逆に穴の入り口から切れ刃に向かって供給されます。この一連の機能を果たしているのが溝です。

ドリルの芯厚(ウェブ)

芯厚が厚いほどドリルの強度が高くなりますが、逆に溝が浅くなります。加工する穴が深くなり、ドリルが長くなれば、芯厚を大きくとって曲がりや折損を避けなければいけませんが、それと同時に切屑を排出する溝の広さを確保しなければなりません。そこで、先端の芯厚を小さく、シャンク側に行くにしたがって大きくするウェブテーパを与えたり、溝の広い平溝型にする等の工夫がなされます。また 芯厚が小さい場合はシンニングはなくてもかまいませんが、芯厚が大きくなるにしたがって、抵抗を減らすのに効果的なシンニングが必要とされます。

ねじれ角

ドリルのねじれ角は すくい角と言い換えることができます。ねじれ角を大きくしていくと 切削抵抗が小さくなる傾向にあります。しかし、ある程度以上ではドリルの剛性が低下する原因にもなるため、汎用ドリルでは30°前後になっています。硬い材料では弱いねじれ・やわらかい材料には強いねじれにするほうが良いといえます。また小径になるにつれて、ねじれを弱くすると強度がでます。

先端角

先端角は118°というのが一般的です。これより先端角を大きくすると、スラスト抵抗(*1)が増加し、トルク(*2)が減少します。また、非切削材との接触長さ(切れ刃長さ)と実質切れ込み量(切屑厚さ)も変化し、切削性能に大きく影響します。したがって、被切削材やドリルの径によって先端角の最適な値は異なります。ステンレスやチタン合金用のドリルは、135°のものが多いようです。

(*1):スラスト抵抗

ドリルの切削抵抗に対して横に逃げる抵抗

(*2):トルク

回転の力

ポイント形状について

各種研削法によるポイント形状

ドリルのシンニングについて

ドリルの先端部にチゼルエッジがあると、そのすくい角は非常に小さく、チップポケット(クリアランス)も小さいくさび状のため、切れ刃部分と比べて非常に大きなスラスト荷重が発生します。また、食付き性、求心性も悪くなります。そこで、このチゼルエッジを短くしてすくいをつけ、中心部からの切り屑の排出性を良くする方法をシンニング(心厚を薄くするという意味)と呼びます。

ドリルのシンニングの種類と効果

逃げ角

ドリルの先端逃げ面には、逃げ角がついており、一般に6°~15°の範囲で設定されます。硬い材料あるいは先端角が大きいドリルや太径の場合には小さく、逆に軟らかい材料や先端角が小さいドリル、小径ドリルの場合には大きく設定されます。

特殊な穴あけに対する留意点

加工の状態が断続切削になったり、不安定となる特殊な穴あけに対する留意点は、下記の通りです。

難削材の穴あけ

難削材にうまく穴あけをするには、その特性を把握し適正な工具を選定すとともに、下記の加工上のポイントを参考に、適切な切削条件を見付け出すことが必要です。

 

タップの技術情報

タップの種類と特徴

 

プラネットカッタ(スレッドミル)

1本の工具で様々な外径のねじが加工できるものがあります。タップと比べてトルクが小さいので、小馬力の機械でも大径ねじの加工が可能です。また、加工したねじの不完全山が

1山で、より穴底近くまで加工が可能です。

タップとは、めねじを加工する工具で、タップ加工(タッピング)とはタップを用いてめねじを加工することを意味します。

 

タップの各部の名称

 

メートルねじの基準山形

 

食付き部の長さと勾配角

タップの切削作用は食付き部で行われます。切れ味、耐久性、めねじの精度、仕上面などへの影響が大きく、使用に際して食付き部の長さの選定は重要です。一般に通り穴には食付き部の長いタイプを、止り穴には下穴長さに余裕のない場合が多いので食付き部の短いタップを使用します。

 

タップによる切削のしくみ

タップによるめねじの切削は、食付き部のらせん状に並んだ不完全山の切れ刃によって行われます。完全ねじ部は、原則として切削は行わず、すでに完成されたねじ山とかみ合ってタップ自身を案内する役目、いわゆる自進作用をしているにすぎません。食付き部の各切れ刃は、タップの回転につれて所定の切り込み量を分担して切断を行い、食付き部全体で完全なねじ山を形成します。

切削工具をもっと知る

エンドミルドリルタップリーマー面取ドリルメタルソーサイドカッターTスロットカッターコーナーラウンジカッター

 

 

 

 

切削工具についてもっと知りたい方は上記より

お問合わせから納品までの流れ

1.お問い合わせ

お問合わせフォームまたは電話にて、切削工具の再研磨や製造に関するお悩みをご相談下さい。切削工具再研磨・製造の技術者が内容をヒアリングさせて頂きます。その際、現在加工している材質やどのような切削工具を使っているのか、またどのように使用しているのかをお伺いさせて頂きます。ワークの材質はもちろんですが、切削工具のメーカーによって刃の角度や刃径も様々ですので、詳しくお伝え頂くことで、より最適な提案をさせて頂くことができます。

2.切削工具の現物確認や現場確認

より正確な状況や情報を得るため、場合によっては現物を送って頂き調査する所から始めます。また現場の設備との相性もありますので、弊社技術スタッフがお伺いさせて頂くこともございます。

 

3.切削工具設計または新品再現時のお見積り

基本的な新品再現であれば、わかりやすい価格表を作成しておりますのでそちらをお渡し致します。また特殊工具などに関しましては、設計後お見積りを提出させて頂き、お客様のご納得のうえ加工致します。

 

4.加工

大手切削工具メーカーのノウハウを蓄えている、職人が1本1本丁寧にお客様のご希望、設計に合わせて研磨・製造していきます。工具に錆があれば、徹底した錆の除去後、研磨加工を行い、加工後には入念に洗浄し、加工後の工具に傷が入らないようにするためシールピールで工具を確実に保護いたします。もちろん多彩なコーティングで刃の強化も自由自在です。

5.納品

できあがった工具は弊社集配スタッフが直接お客様のもとへお届け致します。工具の出来栄えを確認していただければ、その切れ味と加工技術の高さを実感頂くことができます。加工精度はもちろんのこと、加工工数の削減に貢献します。また、ご注文頂いた情報は、弊社専用のオーダーシートやシステムで管理されておりますので、10年前にご注文頂いた切削工具の情報もすぐにお出しすることができます。

6.集配

ご要望に応じて、ご注文を頂きましたお客様のもとへ2週間に1度のサイクルで定期訪問させて頂くことが可能です。再研磨品がある場合はお預かり致しまして、また2週間後にお持ち致します。定期的にお伺いさせて頂きますが、ご注文がなくても全く問題ございません。お客様へ工具に関する情報や、加工に関する改善提案など、お客様のお役に立てる情報をご提供させて頂きます。また、定期訪問をご活用頂くことで、突然のお困り事にも直ぐにご対応させて頂くことができ、直接お伺い致しますので、工具の発送手間や送料を気にする必要がありません。お客様にとってより良いサービスとなっております。