【修正可能!】タップの切り直し方法について   
切削工具

【修正可能!】タップの切り直し方法について

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ネジ穴

こんにちは、ドリル・エンドミルなど切削工具の再研磨を行っているツールリメイクです。

「途中でタップが折れてしまってねじ穴をダメにしてしまった!」

「古いねじ穴にボルトを入れようとしたらねじ山が潰れてしまった!」

なんてこと経験したことありませんか?

そのねじ穴、もしかしたら修正可能かもしれませんよ。

今回は、ねじ穴の修正方法について紹介したいと思います。

 

タップが途中で折れてしまった場合の修正方法

 

タップが途中で折れてしまった場合、ねじ穴を修正する前に、折れたタップを取り除く必要があります。

代表的な放電加工の方法の紹介と、ネジの切り直しの方法について紹介していきましょう。

 

放電加工で取り除く

 

折れたタップを取り除くには、放電加工が一番確実で、きれいに折れたタップを除去することが可能です。

放電加工は、硬いタップ工具を電気の力で溶かし、除去するものです。

電極と呼ばれる棒を装着し、折れたタップに向かって挿入していくだけで加工が完了します。

折れたタップに関する記事は、別の記事で詳しく解説しているので、そちらを参照してください。

 

【タップが折れて抜けない!どうしたらいいの?再研磨屋が解説!】

 

ハンドタップ・スパイラルタップでタップを切り直す

 

タップを除去することができたら、いよいよタップの切り直し。

タップの切り直しに最も使用されるのは、ハンドタップです。

ハンドタップは食い付きの長さが3種類あるので、その時の状況に合わせて、食い付きの長さを調整できるのがメリット。

スパイラルタップもよく使用されますが、食い付きの長さがハンドタップに比べて短いため、慎重に切り直さないとねじ穴が斜めになってしまう可能性があります。

 

ねじ穴の中が潰れてしまっている場合の修正方法

 

ねじ穴が潰れてしまっている場合の修正方法ですが、基本的にはねじが全て切られている状態でのスタートになるので、多くの場合はハンドタップの2番が用いられます。

浅いタップ穴であれば、ハンドタップの2番1本のみでもねじ穴の修正が可能ですが、ねじ穴が深い場合は、食い付きの短いハンドタップの3番やスパイラルタップを併用すると良いでしょう。

 

切り直しの手順

 

切り直しの手順は、タップを途中で折ってしまった場合でも、潰れたねじ穴を修正する場合でも同じで、手加工で行います。

注意点は、切られているタップと同じ規格のタップを使用するということと、タップ穴にたいして斜めにねじを切らないようにする2点が、最も重要なポイントです。

 

1.タップをタップハンドルに装着する。

タップハンドルはタップの大きさに対して適切なサイズがあるので、確認して購入するようにしましょう。

ラチェット付きのタップハンドルであれば、加工が簡単にできるのでおすすめです。

【タップハンドル画像】

 

2.切削油をタップに塗布し、途中まで加工しているタップ穴にタップを挿入する。

この際に、すでに切られているねじ山に対して、斜めにならないように最新の注意を払う。

 

3.タップハンドルを時計まわりに回し、抵抗が増えてきたら反対周りにまわして切粉の排出を促す。切削油はきれてきたら再度塗布するようにする。

必要な深さまで加工ができたら、加工完了。

ハンドタップの場合は番手を上げて2~3を繰り返します。

 

ねじ穴が完全になめてしまっている場合の修正方法

 

もし既存の古いねじ山を修正する必要があり、そのねじ山が完全になめてしまっている場合はどうすればいいのでしょうか。

その方法は2つあります。

 

・一回り大きいタップ加工をする

・リコイルインサートを使って修復する

 

これらの方法は少し特殊ではありますが、既存の穴を利用できるので、比較的簡単に加工が可能です。

順番に解説していきます。

 

一回り大きいタップ加工をする

 

既存のねじ穴の場所に1回り、もしくは2回り大きなタップ加工を施すことです。

既存のねじ穴の場所に、下穴を広げるような形でドリル加工を施し、その後新しいタップを切り直します。

この方法であれば、特殊な道具を使うことなくねじ山を修正することが可能です。

しかし、ねじ穴が大きくなるので、おねじ側も大きなものを使用する必要がでてきます。

スペースやサイズの関係で、大きなボルトやねじを利用できない場合は、一回り大きなタップ加工を施すという方法は利用できないのが弱点です。

こちらの方法が利用できない場合はリコイルインサートを利用する修正方法がおすすめです。

 

リコイルインサートを使って修復する

 

リコイルインサートは、バネのような形状をしており、一回り大きなねじ穴に挿入することで、内側がもとのねじ穴径を保持できるというものです。

【リコイルインサート画像】

加工の方法はメーカーにより若干異なるのですが、簡単に説明しておきましょう。

 

1.潰れたねじ穴を利用して、一回り大きなねじ穴を作成します。

 

2.専用の工具を利用して、リコイルインサートを作成したねじ穴にねじ込み加工完了。

 

リコイルインサートは、ねじ穴よりも大きめに作られており、専用の工具を使って挿入することで、外側に広がろうとする力が発生します。

そのため、リコイルインサートを挿入するとしっかりとねじ山を形成し、ずれることなく使用ができます。

 

手で切り直す場合は慎重に

 

ねじ穴の修正方法について、紹介してきました。

ねじ穴を修正する場合の要点は3つ

・元のねじ穴と同じ規格のタップを使用する

・元のねじ山に対して斜めにねじを切らないようにする

・切削油はしっかりと供給する

ということです。

ねじ山を修正する機会があればぜひ、この記事を参考にしてみてくださいね。

 

タップに再研磨が必要なタイミングの見分け方

タップの再研磨が必要かどうかは、以下の点を基準にしてください。

 

①工具が損傷したとき

②加工後のねじの寸法精度が不合格になったとき

③加工後のねじの仕上面が悪くなったとき

④切削抵抗が大きくなったとき

⑤切削時のキシミ音が発生したとき

⑥切屑の形状が変化してきたとき

 

加工でお困りの際は切削工具再研磨・製造のツールリメイクまでお問い合わせ頂ければ加工のアドバイスも致します。

ツールリメイクではタップの再研磨はもちろんのこと、タップのレンタルサービスも行っております。

詳しくは、下記の「現場を変える、切削工具レンタルサービス。」をご覧ください。

現場を変える、切削工具レンタルサービス。

ツールリメイクでは、これまで切削工具を使う現場で起こっていた「ちょっとだけ、すぐに使いたい!」という課題を解決すべく、切削工具のレンタルサービス「カシコ」を開始致しました。「カシコ」という名前は「貸し工具」と「賢い」に由来し、成果を上げている数多くの現場で使用され始めております。

カシコについてもっと詳しく