設計

設計

【図面とにらめっこにもおさらば】ネジ・タップの図面表記を解説!

こんにちは、ドリル・エンドミルなど切削工具の再研磨を行っているツールリメイクです。

ねじやタップの図面の表記方法はご存知でしょうか?

金属加工の図面では非常に多くのタップや、ねじの指示がでてきます。

せっかくいい加工ができる技術を持っていても、図面通りの加工ができなければ意味がありません。

図面の読み方は、勉強すれば誰でも理解できるものですので、初心者のうちにしっかりとマスターしておくのがおすすめです。

今回は、タップやねじの図面表記について詳しく解説していきましょう。

ツールリメイクお問い合わせ

JIS図面での表記方法について解説

 

図面にも様々な種類があります。

代表的なものが、JIS規格とISO規格です。

JIS規格は日本工業規格といい、ISOは国際的な標準規格となります。

今回は国内で流通している図面の多くで使用されている、規格のJIS規格での製図方法について見ていきましょう。

 

おねじの表記方法

 

まずは、おねじの表記方法について見ていきましょう。

おねじとめねじでは表記の方法が異なります。

見間違えることは少ないとは思いますが、見間違えることがないように、しっかりと理解しておきましょう。

 

山と谷の表記

 

まずは、おねじの山と谷の表記方法についてです。

図面ではねじの山と谷のギザギザの表記は省略され、2種類の直線で表記されます。

 

【おねじ図面表記画像】

 

おねじの山の表記方法は「太い実線」で描かれます。

実線はこの図面でいうと、一番太い線の部分です。

また、太い実線は外形線と呼ばれ、対象物の見える部分の形状を表すのに用いられます。

ねじ山の山のピークの部分に太い実線を描き、ねじの先端に部分は図面のようにC面を取ったように表記します。

 

おねじの谷の表記方法は、「細い実線」で描かれ、細い線は太い実線の半分の太さで描かれます。

細い実線は、寸法線や寸法補助線に使われ、図面表記の補助的な役割で使用されることがほとんどです。

ねじ山の谷の最も深い部分に沿って、細い実線を描きます。

正面から見た図を書く場合は、谷の表記は図のように右上の部分を開けて描くことがルールになっています。

 

おねじの寸法表記

 

ねじの長さ

 

ねじ加工がされている部分とされていない部分に太い実線を引き、ねじ部分とねじ以外の部分の境目を描きます。

ねじの有効長さを入れる必要があれば、先程引いた境目からねじの先端までの寸法を、寸法引出線を用いて記入するようにしましょう。

 

ねじの径

 

ねじの径はねじの最大外径部から寸法引き出し線を引き、該当するねじの呼び径を記入します。

 

【おねじ寸法表記図面】

 

不完全ねじ部分の表記

 

不完全ねじ部があるねじの場合は、図のように傾斜した細い実線で表記します。

不完全ねじとは、完全にねじが切られていない部分のことを指し、先端部分は一般的に不完全ねじ部が2ピッチ以内であれば許容範囲とされています。

 

【不完全ねじ解説画像】

不完全ねじの製品例

【半ねじボルト画像】

 

めねじの表記方法

 

めねじの図面での表記方法ですが、基本的に横から見た図は、断面図、もしくは隠れ線で表記されます。

 

山と谷の表記

 

めねじでの山と谷の表記もおねじと同じく、山が「太い実線」、谷が「細い実線」で表記されます。

しかし、おねじとは内外が逆になりますので注意しましょう。

正面図での谷の細い実線は、おねじと同じく、図のように右上を開けるようにします。

横から見た図を詳細に書く場合の多くは、左側の図のように断面図が用いられます。

 

【めねじ断面図】【めねじ正面図】

 

寸法の表記

 

めねじでの寸法表記は、めねじの谷側、つまり細い実線側から、寸法補助線を引っ張り記入します。

有効深さの指定がある場合は、有効深さの部分まで、細い実線を図のように描き寸法を記入されるので注意。

正面図に、有効深さを記入する場合は、ねじの呼び径のあとに「×有効深さ」を記入します。

下穴にも指定がある場合は、下穴の寸法も記入されていることがあるので、その場合は寸法どおりに加工することが必要です。

 

断面図以外での表記

 

断面図以外での表記方法は、基本的には隠れ線での表記になります。

しかし、隠れ線で表記される場合の多くは、詳細には寸法が描かれていないことがほとんど。

どのような形状をしているかの参考にする程度のことが大半です。

 

【隠れ線画像】

 

不完全ねじ部分の表記

 

めねじに不完全部分の表記をする場合も、傾斜した細い実線を使用します。

 

【めねじ不完全ねじ部画像】

 

ねじの図面表記には下穴径は描いていない

 

ここまで、JIS規格の図面でのねじの表記について紹介してきました。

しかし、図面にはタップの下穴は表記されていないことがほとんど。

ですので、タップ加工の前に下穴を開ける際には、しっかりと下穴表をみて下穴を開ける必要があります。

正確な加工をするためには読図能力は必須なので、間違いを起こさないようにしっかりと基本を身につけるようにしましょう。

タップの指示でわからない部分が出てきたら、この記事のことを思い出してみてくださいね。

 

タップの再研磨のタイミング

タップ加工を行っていると、段々と切れ味が悪くなってきます。

ツールリメイクではタップの再研磨が可能です。

お使いの刃物に合わせて最適な再研磨の方法を提案させていただきます。

タップの再研磨が必要な時期の見分け方は下記の通りです。

 

①工具が損傷したとき

②加工後のねじの寸法精度が不合格になったとき

③加工後のねじの仕上面が悪くなったとき

④切削抵抗が大きくなったとき

⑤切削時のキシミ音が発生したとき

⑥切屑の形状が変化してきたとき

ツールリメイクお問い合わせ

ツールリメイクではドリルやタップの再研磨はもちろんのこと、切削工具のレンタルサービスも行っております。

詳しくは、下記の「現場を変える、切削工具レンタルサービス。」をご覧ください。

ツールリメイクお問い合わせ

-設計
-, , ,

© 2024 切削工具の再研磨・製作・レンタルはツールリメイク