こんにちは、ドリル・エンドミルなど切削工具の再研磨をしているツールリメイクです。
エンドミルの呼び名で、ショートやスタブ、ロングなどの種類について聞いたことがあるでしょうか?
ショートやロングという呼び名は、エンドミルの刃長を示しています。
エンドミルの刃長について、性能の違いを理解しておけば、加工時の状況に合わせて使い分けられるようになるでしょう。
今回は、エンドミルの刃長による性能の違いや、メリット・デメリットについて解説していきます。
エンドミルの刃長について性能や性質を理解すれば、エンドミルを選ぶ際に最適なものを選ぶことができるようになりますよ。
刃長によって呼び名が変わる
エンドミルは刃長で呼び名が変わってきます。
刃長の長さの分類は、エンドミルの直径(D)に対して何倍の長さかを基準とし、直径が直径の2倍の長さであれば2Dと表記されます。
この2Dなどの倍率で呼び名が決まっており、エンドミルは刃長別に区別されています。
エンドミルには、刃長以外にも様々な名前があるのでわかりにくいかと思いますが、エンドミルの形状を示す名前の後に、刃長の呼び名がくることが大半です。
例えば「φ10ラジアスエンドミル ショート」といったような形で表記されます。
スタブ
スタブタイプは、刃長が1.5Dのごく短いエンドミルを指します。
刃長が短いため剛性が高く、加工条件も高く設定することが可能です。
しかし、刃長が短いため、使えるシチュエーションは限定されてしまいます。
ショート
ショートタイプは、2Dの刃長のもののことを指します。
スタブタイプよりも刃長が長いため、使い勝手がよく、剛性と汎用性を求めるのであればショートタイプのエンドミルが活躍します。
レギュラー
刃長が3Dのものをレギュラータイプといい、もっとも一般的な刃長です。
汎用性に富んでおり、通常はこちらのレギュラータイプを選んでおくといいでしょう。
ロング
4Dの刃長を持つエンドミルをロングタイプと区分します。
ロングタイプでは、他のエンドミルでは刃長が足りない溝加工や側面加工で使用されます。
剛性に劣るため、長さが足りないという場合以外ではあまり使用しないほうがいいでしょう。
エキストラロング
刃長が5Dのエンドミルをエキストラロングといいます。
見た目にもバランスが悪いほどの長い刃長を持っていますが、切削時の剛性不足は顕著なため、加工時の切削条件には注意しなければなりません。
刃長が長いことによるメリット・デメリット
刃長が長いことによるメリット・デメリットは下記のような内容です。
メリット
深い加工ができる
刃長が長い場合、深い溝加工や側面加工が可能です。
ただし、切り屑の排出などが問題になりやすいため、加工条件の調整には注意が必要。
側面の仕上げが均一にできる
刃長が長い場合、側面の仕上げ加工を数回に分けることなく1回で行うことが可能です。
そのため、仕上げ面に段差ができにくく、均一な表面に仕上げられます。
デメリット
剛性が低くビビりやすい
刃長が長いと、刃先からチャック端面までの距離が長くなり、たわみが出やすくなります。
刃長が短いことによるメリット・デメリット
反対に刃長が短いことによるメリット・デメリットは下記の通りです。
メリット
剛性が高い
刃長が短いと、エンドミルにたわみが出にくくなります。
これにより、より高い送りの条件で加工が可能になり、効率のいい加工を行えます。
荒加工を行う際には、刃長の短いエンドミルで行うことで、効率よく切削が可能です。
精度が高い
エンドミルにたわみが出にくいため、高精度な加工が可能になります。
ですので、精度が要求される場合は、可能な限りエンドミルを短くしたほうがいいでしょう。
デメリット
深い加工ができない
デメリットは深い溝加工や側面加工ができないという点です。
そのため、エンドミルの長さによっては使用できるシーンが限定されてしまいます。
刃長が足りないと切り屑が詰まってしまうため、どうあがいても加工することができません。
最初に購入すべきエンドミルはレギュラータイプ
エンドミルをこれから揃えていくという状況であるのであれば、レギュラータイプのものから揃えていくのがいいでしょう。
レギュラータイプであれば、工具径の3倍までの溝も加工できますし、刃先の剛性も悪くありません。
まず、レギュラータイプのエンドミルを揃えて、刃長が足りないようなシチュエーションに出会った場合にロングタイプを購入していくのがいいでしょう。
スタブやショートタイプは、加工効率や加工精度を重視する場合にはメリットがありますが、短い刃長は扱いが難しいので、あまり積極的に揃える必要はないかもしれません。
エンドミルの刃長について、性能や性質を理解しておけば、エンドミル選びの際に迷うことが少なくなりますよ。
エンドミルの再研磨はツールリメイクにおまかせ
ツールリメイクでは、再研磨を専門にしており、お持ちの工具にピッタリの再研磨方法をご提案することが可能です。
ですので、エンドミルだけでなく様々な工具を再研磨可能ですので、刃物の切れ味で困っているのであれば、ぜひ一度ご相談くださいね。
ツールリメイクではスクエアエンドミルの再研磨はもちろんのこと、ドリルやエンドミルのレンタルサービスも行っております。
詳しくは、下記の「現場を変える、切削工具レンタルサービス。」をご覧ください。