傘歯車ってどんな歯車?傘歯車の種類と用途   
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傘歯車ってどんな歯車?傘歯車の種類と用途

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傘歯車

こんにちは、ドリル・エンドミルなど切削工具の再研磨をしているツールリメイクです。

 

傘歯車という歯車を知っているでしょうか?

 

動力の方向変換で用いられるこの歯車は、様々な分野で広く使用されています。

 

今回は、傘歯車の種類とそれぞれの違いについて紹介していきましょう。

傘歯車とは

※かさ歯車画像

 

傘歯車は「かさ歯車」と表記されるのが最も一般的です。英語では「ベベルギア」とも呼ばれており、ベベルは斜面・斜角といった意味があります。

 

名前の通り傘のような形状をしており、傘歯車は傘歯車同士を組み合わせて使うのが一般的です。

 

傘歯車の特徴は、動力の回転を異なる軸方向に変換できる点にあり、傘歯車同士を組み合わせる場合、それぞれの回転軸が交わる関係で設置されます。

 

軸が交わる角度は90°が一般的ですが、それ以外の角度でも使用される場合があります。傘歯車をうまく使って動力の伝達方向を変えれば、一つの動力からあらゆる方向へ動力が伝達できるようになります。

傘歯車の種類とそれぞれのメリット・デメリット

傘歯車には、歯の形状によって種類が分けられています。

 

  • すぐばかさ歯車
  • はすばかさ歯車
  • まがりばかさ歯車
  • マイタギア

 

それぞれにメリットとデメリットがあるため、その違いをうまく使い分けられるようになると性能面・コスト面で間違いない設計ができるようになるでしょう。

すぐばかさ歯車

※すぐばかさ歯車画像

 

最も一般的でシンプルな傘歯車が「すぐばかさ歯車」で、歯筋がまっすぐかつ軸に向かって伸びている傘歯車となります。

 

「すぐばかさ歯車」の大きなメリットは、

 

  • 製造が容易でコストパフォーマンスに優れる
  • スラスト荷重が少ない

 

という点です。

 

すぐばかさ歯車の場合、歯筋がまっすぐなため、機械での加工がしやすく、結果として価格が安価になりやすいです。コスト重視ならすぐはかさ歯車を選ぶといいでしょう。

 

また、歯筋が真っ直ぐなため、スラスト荷重(軸方向への荷重)が少なく、軸受に負担がかかりにくいという特徴があります。

 

反対に、すぐばかさ歯車のデメリットは

 

  • 騒音が大きい
  • 振動が大きい

 

といった点があげられます。

 

歯車全般に言えますが、歯筋が真っ直ぐな歯車は、噛み合いが滑らかでなく、高速回転させたときの騒音や振動が大きくなってしまいます。

 

これらの特徴から、すぐばかさ歯車は

 

  • コストを優先する場合
  • 高速回転させない場合
  • 騒音が問題にならない場合

 

において採用される傾向にあります。

 

また、90°で交差するすぐばかさ歯車で、歯数も全く同じものを使用する場合は「マイタギア」と呼ばれ、区別されることもあるので覚えておきましょう。

はすばかさ歯車

※はすばかさ歯車画像

 

はすばかさ歯車は、歯筋が真っ直ぐで、斜めに向かってついているものを指します。

 

先程紹介した「すぐばかさ歯車」と後述する「まがりばかさ歯車」の中間的な性質を持ちます。

 

はすばばかさ歯車のメリットは

 

  • 歯の強度がすぐばかさ歯車に比べ高い
  • 振動・騒音がすぐばかさ歯車に比べ少ない

 

といった点があげられます。

 

歯筋が斜めになっていることから歯の噛み合い率が高く、歯の強度はすぐばかさ歯車に比べて強くなります。

 

また、噛み合わせ時の滑らかさもすぐばかさ歯車に比べて優れており、騒音や振動が少なくなると言う特徴も。

 

しかし、この点でいうと後述する「まがりばかさ歯車」のほうが優れているため、どっちつかずな性能である「はすばかさ歯車」は最近ではあまり使用されていません。

まがりばかさ歯車

※まがりばかさ歯車画像

 

最後に紹介するのが「まがりばかさ歯車」。まがりばかさ歯車は、歯筋がらせん状になっているのが特徴の傘歯車です。

 

まがりばかさ歯車のメリットは

 

  • 騒音・振動が少ない
  • 歯面強度が高い
  • 歯面への負担が少ない

 

といった点があります。

 

まがりばかさ歯車は、はすばかさ歯車よりもさらに噛み合い率が高くなっており、騒音・振動が少なく高速回転での駆動に向きます。

 

また、歯面が最も長く取れるため歯の強度も高く、力の強い機械であっても採用しやすいです。

 

噛み合わせが滑らかなこともあり、歯面への負担が少なく摩耗しにくいという特徴もあります。

 

デメリットは

 

  • 加工が複雑で価格が高い
  • スラスト荷重が大きい

 

といった点があげられます。

 

すぐばかさ歯車に比べて、歯筋が複雑なためどうしても加工には費用がかかってしまいます。

 

また、スラスト荷重はすぐばかさ歯車に比べて高くなってしまうので、軸受には余裕を持った設計が必要です。

 

これらの優れた静音性や強度などから高速回転する工具やロボット、車などに採用されており、幅広い分野で活躍しています。

まとめ

最後に、それぞれのかさ歯車の性能についておさらいしておきましょう。

 

すぐばかさ歯車 はすばかさ歯車 まがりばかさ歯車
価格 安い 中間 高い
騒音・振動 大きい 中間 小さい
強度 低い 中間 高い
スラスト荷重 小さい 中間 高い

 

最近でははすばかさ歯車はあまり利用されていないので、

 

  • コスト重視なら「すぐばかさ歯車」
  • 性能重視なら「まがりばかさ歯車」

 

と覚えておくといいかもしれません。

 

そのときに必要な機械的性能に合わせて最適な傘歯車を選択してみてください。

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