こんにちは、ドリル・エンドミルなど切削工具の再研磨をしているツールリメイクです。
ホブという工具について知っているでしょうか?
ホブは、私達の生活に欠かせない歯車を作るためによく使われている工具です。
そんなホブについて今回は詳しく解説していきましょう。
ホブってなに?
※ホブの画像
ホブは歯車を製造するための工具です。
ホブは、中心軸に対してらせん状に断続した刃がついており、形状的にはねじを切る工具の「タップ」とよく似ています。ホブは刃の数が非常に多く、歯車を削り出す際に高い加工効率を発揮します。
※ホブ盤の画像
ホブを用いた加工を「ホブ切り」といいます。
ホブ切りでは、ホブ盤と呼ばれるホブ切り専用の機械にホブをセットして、歯車材料となる「被削歯車」を削り出すのが一般的です。
最近では、ホブ盤以外であっても5軸のマシニングセンタや複合旋盤でもホブを使っての加工がされる場合もあります。
ホブは軸を水平にして回転、被削歯車は軸を垂直にして回転させ、ホブと被削歯車の回転を同期させて少しづつ歯車を削りだしていきます。
歯車を削り出す方法には、工具の形状をそのまま被削歯車に反映させる「成形歯切り」と工具の形状以外の形状を作り出す「創成歯切り」の2種類がありますが、ホブを使っての歯切りは「創成歯切り」に分類されます。
そのため、ホブと被削歯車の回転同期がずれてしまうと、正しい歯車の形状が作られないので注意が必要です。
ホブを使った歯車の製造は幅広く、身近なところであれば車や工作機械などに用いられています。
ホブの種類
ホブは目的の形状によって、専用のものを用います。
先程説明したようにホブは「創成歯切り」と呼ばれるものに分類され、工具は歯の形状をしていませんが、対応できる範囲には限度があります。そのため、ホブは目的の形状によって専用のものが使われます。
インボリュートホブ…インボリュート歯車の加工に用いられます。
サイクロイドホブ…時計などの小型機械に使用されるサイクロイド歯車の加工に用いられます。
プーリ用ホブ…歯付きのプーリの加工に用いられます。
スプロケット用ホブ…チェーン・スプロケットの加工に用いられます。
ウォームホイール用ホブ…ウォームホイールの加工に用いられます。
他にも特殊なホブは存在します。
特殊な用途で既製品がない場合、ホブをオーダーすることも可能ですので、ホブの製造メーカーに問い合わせしてみてもいいでしょう。
ホブ・ホブ盤の主なメーカー
ホブやホブ盤を製造している主なメーカーは下記の5社です。
- 株式会社カシフジ
- 浜井産業
- 三菱重工業
- 清和鉄工
- 北井産業
株式会社カシフジ
会社HP:https://www.kashifuji.co.jp/
ホブ盤のトップメーカーが「カシフジ」です。
自動車業界をメインに国内外の歯車の製造を支えています。
浜井産業
会社HP:http://www.hamai.com/product/index.html
小型のホブ盤を得意とするのが「浜井産業」です。
高精度な小型ホブ盤は世界でもトップクラスの性能を誇ります。
三菱重工業
会社HP:https://www.mhi-machinetool.com/
ホブ盤で世界初のドライカットシステムを実現したメーカーが「三菱重工業」です。
「三菱次世代スーパードライホブ」を利用することでさらなる高速加工が可能になりました。
清和鉄工
会社HP:http://segtec.jp/
高精度で高速加工ができるホブ盤なら「清和鉄工」です。
キサゲで仕上げられた摺動面によって、清和鉄工のホブ盤は最高の性能を発揮してくれます。
北井産業
会社HP:http://www.kitaisangyo.jp/
「北井産業」はオーダーメイド、共同開発に強い小型ホブ盤のメーカー。
オーダーメイドに特化した「カスタマイズ事業部」はオーダー前提の現場にピッタリです。
高効率な歯車加工は「ホブ」で決まり
歯車を高効率で加工するのであれば「ホブ」を用いるのが最も確実な方法です。
「ホブ切り」は特殊な加工に見えるかもしれませんが、自動車などのギアによく用いられており、実はとっても身近な存在です。
この歯車はホブ切りで作られているのかな?と少しだけ気にかけてみてください。
歯車専用歯切り工具の再研磨ツールリメイクへ
ツールリメイクでは、歯車加工に使用するホブカッターやピニオンカッターなどの歯切り工具、エンドミル、ドリルやタップなど切削工具の再研磨・改修を行っております。
歯車加工を行ってはいるが、現状の刃物では不満、もっと刃持ちを良くしたいなど加工に関するご相談をお伺い致します!