歯車モジュールの式

歯車

歯車のモジュールってなに?わかりやすく解説

こんにちは、ドリル・エンドミルなど切削工具の再研磨をしているツールリメイクです。

 

歯車について調べているとモジュール、ピッチなどのよくわからない言葉がでてきて「わけがわからない!」という経験をした方も多いのではないでしょうか?

 

モジュールについて理解していれば、歯車を選ぶ際に間違った歯車を選んでしまったなんてこともなくなります。

 

歯車のモジュールについて今回は詳しく紹介していきましょう。

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モジュールってなに?

歯車において、モジュールはとても重要な役割を担っています。

 

モジュールの数値が正しくないと歯車が噛み合わなかったり、スムーズに歯車が動かないなどの問題が起こりえます。

 

歯の形状を作り出すためには「インボリュート曲線」という曲線が使われるため、計算式がとても複雑ですが、モジュールなどの計算は、それほど複雑ではありません。

 

ですので、モジュールや計算式について知っておけば、歯車を選定する際にとても便利です。

モジュールは歯車の歯の大きさ

モジュールは歯車の歯の大きさを指します。

 

歯車同士を噛み合わせるにはこのモジュールが等しい値でなければ噛み合いませんので注意が必要です。

 

モジュールの値が同じであれば、異なる歯数の歯車通しでも正確に噛み合ってくれます。

モジュールのJIS規格

モジュールにはJIS規格で推奨されている値があります。

 

I系列をできる限り使用するようにし、I系列では問題がある場合は、II系列を使用することが推奨されています。

 

表1−歯直角モジュールの標準値(1 mm以上の場合) 単位 mm 

I系列 II系列 

1.25 

1.5 

2.5 

 

10 

12 

16 

20 

25 

32 

40 

50 

1.125 1.375 

1.75 

2.25 

2.75 

3.5 

4.5 

5.5 

6.5 a) 

11 

14 

18 

22 

28 

36 

45 

 

注a) できるだけ避けるのがよい。 

 

表2−歯直角モジュールの標準値(1 mm未満の場合) 単位 mm 

I系列  II系列 
0.1 

0.2 

0.3 

0.4 

0.5 

0.6 

 

 

0.8 

0.15 

0.25 

0.35 

0.45 

0.55 

0.65 

0.7 

0.75 

0.9 

 

引用元:JIS規格「JIS B 1701-2:2017」より

 

上記の表以外のモジュールも場合によっては使用されますが、汎用品ではまず手に入らないため、互換性が低く、基本的には使用しないほうがいいでしょう。

モジュールと歯数、ピッチ円直径の関係

モジュールが歯の大きさであることがわかりましたが、歯車が正しく動作するためには歯数やピッチ円直径も正確でなければなりません。

 

歯数は、1つの歯車についている歯の数を指し、この歯数の組み合わせによって「ギア比」が決まってきます。正しく歯車が動作するためには、歯数は整数でなくてはなりません。

 

ピッチ円直径は歯車の歯が噛み合うために必要となる基準円で、歯車と歯車の軸をどの位置に据え付けるかを決める数値となります。

 

  • モジュール
  • 歯数
  • ピッチ円

 

この3つの数値はそれぞれ深く関わっており

 

ピッチ円直径(mm) = モジュール(mm) × 歯数

 

という式が成り立ちます。

 

このことから、3つの数値の内2つがわかっていれば、計算で残りの1つの値を導き出せます。

 

それぞれの値を求める場合、下記の3つの式を使用するといいでしょう。

 

  1. ピッチ円直径(mm) = モジュール(mm) × 歯数

 

  1. 歯数 = ピッチ円直径(mm) / モジュール(mm)

 

  1. モジュール =  ピッチ円直径(mm) / 歯数

 

その時々で重要視する数値を先に仮決定し、それぞれの数値を求めていき煮詰めていくというのが歯車選定の基本です。

 

設計する際のスペースが限られている場合は、ピッチ円直径を先に決定しなければなりませんし、ギア比を優先したい場合は、歯数を先に決定する必要があります。歯の強度を優先する場合はモジュールを先に決める必要があるでしょう。

 

どこまでどの数値を妥協できるかで決めていけばそれほど歯車の選定は難しくありません。

まとめ

モジュールは歯の大きさで、JISで推奨されている規格があります。

 

また、歯車の選定の際には、

 

  • モジュール
  • 歯数
  • ピッチ円

 

が必要になるので計算式を使うとベストな歯車を選定できるようになります。

 

計算式は覚えておく必要はありませんが、存在を知っているだけでもとても便利なので頭の片隅に入れておいてくださいね。

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