なぜ大きな穴が空いてしまったのでしょうか?ドリル博士教えて下さい!
なぜ、パイプの穴加工は難しい?
平らな地面に棒を立てるのは簡単ですが、ボールの上に立てるのはとても難しいのと一緒で、曲面にドリルで穴加工をしようとすると、ちょうどど真ん中を捉えない限りドリルの刃先が中心からすべりズレやすくなります。
平面板への加工の場合は多少のズレはドリルの剛性で保つことができますが、曲面の場合、ズレる方向に大きな力がかかるので、少しのズレが命取りとなります。
その結果、ブレながら穴加工をするので、穴が大きくなり尚且つ、ドリルが摩耗や折損してしまいます。
パイプの曲面にドリルで穴あけ加工を行うポイント
そのような前提を踏まえた上でドリルでパイプなどの曲面にドリル穴加工をしなければならない場合は、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか?
ココがポイント
では、ブレないようにする効果的な加工方法を紹介していきます。
短いドリルを使用する
ドリルは普通の棒と一緒で、長ければ長いほど曲がり、短ければ短いほど、曲がりにくいので、短いドリルを使用していれば、多少の力が加わっても曲がったりブレたりする可能性が少なくなります。
送りを下げる
パイプの頂点をゆっくり狙って少しずつ加工していくとブレにくくなります。
逆に送りを早くすると、ブレる可能性が極端に大きくなりますので間違っても加工速度は上げないようにしてください。通常の50%~70%にするのが良いよ言われています。
ドリルの刃先をフラットにする
そして、最後の手段で最も効果的なのが、最初からドリルをブレにくい形状にするということです。
「フラットドリル」という名前で販売されているドリルは基本的に、先端刃角度が118°ではなく、180°のフラットになっており、曲面加工でもブレが置きにくい構造になっています。
ただし、普通のドリルよりも高価な場合が多く、ツールリメイクでは購入するよりも安価にフラットドリルへの改修を行うことができます。
まとめ
ドリルでパイプに穴あけ加工を行う場合、一般的な118°角でロングサイズのドリルではうまく中心をとらえられず、刃先が逃げてしまい穴の拡大やドリルの折損につながってしまいます。
短いドリルにして、いつもより送りを下げて加工をして下さい。
上記を試してみて加工が難しそうな場合、刃先の角度に工夫が必要です。
ツールリメイクへお問い合わせ頂ければ、お客様の加工に合わせて刃先角度を改修し、どんなパイプでも最適なドリル穴加工を実現致します。