ドリルでゴムの穴あけは高難度
ゴムは金属に比べやわらかいので、いっけん加工が簡単そうにみえますが、実際はその真逆でとても難しく経験のいる加工です。
変形する
ドリルでゴムに穴を空ける際、いくらドリルの中心でゴムの加工箇所を捉えたとしても、
ドリルの回転する力により、ゴムも引っ張られ動き、中心からズレてしまいます。
ワークが動く
そして、引っ張られる力が大きい場合、変形が大きくなりワークの固定もままならなくなります。
ガタガタの穴が空く
そして、ドリルの側面にもゴムがまとわりついて、ガタガタの穴が空いてしまいます。
経が変化する
もちろん、その結果、径が安定せずドリル径よりも大きかったり、小さかったり、狙いの寸法はでなくなります。
ドリルでゴムの穴加工をする時のポイント
では、どのようにすればドリルでゴムに綺麗な穴を空けることができるのでしょうか?
まずはワークの固定からです。
パイプ用万力
普通の万力でゴムを固定しても、固定時に形状が変化してしまうので、万力からはずした時に、狙った形状からはずれ楕円の穴が空いてしまいます。
ですので、パイプ用万力に限らず、ワーク形状に合わせた形状変化しない固定治具を使用してください。
そして一番大切なのはなんと言ってもドリルの刃先形状です。
ローソク型ドリル
本来は薄い板を加工する時に、ドリルの力で板が浮いてこないようにするために開発されたドリルですが、ゴム加工にも非常に効果的です。
まず、先端の刃がドリルに当たり加工が始まりますが、そのあとすぐに外周の刃がゴムに喰いつくことで、ゴムが変形するのを押さえます。
そうすることで、変形の少ない穴を空けることができます。
ただし、ゴムにドリルで穴を空ける場合、多少の径変化が起こってしまうものですので、金属のように厳しい公差の穴を空けることはとても難しいです。
ツールリメイクでは通常のドリルの先端をローソク型に研磨することで、ゴムへのドリル穴加工を実現し、お客様のゴムの性質に合わせた、最適なドリル寸法をご提案させて頂いております。