エンドミルすくい再研磨

切削工具

エンドミルも研磨できる?再研磨屋が研磨方法を大公開

こんにちは、ミルです。

 

エンドミルを使用していると必ず切れ味が落ちてきますよね。

再研磨で切れ味を復活させることができると聞いたのですが、どうすれば良いのでしょうか?

 

ほう。エンドミルを再研磨して使用することは、環境にも、経済的にも、いいことばかりじゃ。

エンドミルがどのように再研磨されるのか紹介していくぞ。

 

エンドミルの再研磨

 

エンドミルの再研磨について詳しく解説していきます。

再研磨を行う部位に関しては下記の画像を参照してください。

 

【再研磨部位解説画像】

エンドミルの再研磨の基本は底刃の研磨

 

エンドミルの再研磨の基本は、底刃の研磨です。

 

底刃が磨耗してきた場合は、磨耗部をカットして、切れ刃を再作成します。

 

このときに外周刃も摩耗しているようであれば、摩耗している外周刃を取り除き、切れ刃を再作成していきます。

【ギャッシング画像】

 

刃の再生が終わったら、ギャッシングと呼ばれる加工を施して、すくい角と切り屑が逃げる部分を形成します。

 

ギャッジングがなければ切り屑がうまく排出できません。

このギャッシングは、エンドミルの再研磨には必須の工程となっています。

 

エンドミルの外周刃は再研磨は注意が必要

 

エンドミルの外周刃の再研磨は、工具径が変わってしまいます。

 

カケや摩耗の状態にもよりますが、例えば新品で外径がφ20だったものが、再研磨によってφ19.7になるように再研磨を繰り返すことでどんどん外径が小さくなってきます。

 

 

外径が小さくなると、おのずと刃の裏側のポケット部分が小さくなってしまい切削や切粉の排出能力が下がってしまうので、刃の裏側も研磨が必要になる場合があります。

 

 

一般的には新品時より10%径が小さくなったら研磨限界(捨て時)と言われておりますが利用方法によっても変わってきますので、自分の使い方に合わせて捨て時を探っていくのが良いと思います。

 

エンドミルの形状ごとの再研磨の方法

 

スクエアエンドミルの再研磨

基本的には底刃と外周の再研磨を行います。

 

スクエアエンドミルの外周刃の再研磨の基本は、刃と逃げ面の再研磨を行います。

それ以外の問題があるようであれば、すくい面側(刃裏)の再研磨を行うこともあります。

 

ラフィングエンドミルの再研磨

基本的には底刃とすくい面(刃裏)の再研磨を行います。

 

ラフィングエンドミルの場合は、外周刃が波型をしているため、一般的には外周刃の逃げ面の再研磨はできません。

そのため、すくい面からの再研磨を行います。

 

 

ツールリメイクでは、ラフィングエンドミルからエンドミルへの改修も行っており、刃の幅が薄くなったラフィングエンドミルに限り、外周刃の波型を全て落として通常のスクエアエンドミルのような外周刃に変身させることができます。

 

 

ラジアスエンドミルの再研磨

基本的には底刃と外周刃とラジアス部の再研磨を行います。

 

 

外周刃の再研磨の基本はスクエアエンドミルと同じですが、角Rは旋回台を使って加工していきます。

Rの大きさは自由自在ですので、例えば新品時にR2だったものをR4に改修するなど、再研磨時に調整することもできます。
 

ボールエンドミルの再研磨

ボールエンドミルは、他のエンドミルとは先端の形状が大きく異なり、外周刃の再研磨をすることはほとんどなく、先端のR形状部分のみを再研磨します。

 

ボールエンドミルの再研磨は、磨耗の位置によっては切断することがありますが、少量の磨耗の場合は、すくい面からの再研磨で済ませるのが一般的。

 

しかし、磨耗がひどい場合などは、先端のR形状を作成し直す必要があります。

 

ボールエンドミルもラジアスエンドミルと同様に、Rのサイズは再研磨時に指定可能です。

 

特にボールエンドミルを再研磨する場合はR精度がしっかりと出せる再研磨メーカーに依頼しましょう。

» ボールエンドミルの再研磨専門メーカー

 

エンドミルの再研磨のタイミング

 

エンドミルの再研磨をする最適なタイミングはいつなのでしょうか?

 

エンドミルの寿命を適切に見極めることで、経済的で、トラブルの少ない加工を行うことができます。

エンドミルの寿命の目安となる部分を紹介していきましょう。

 

バリが以前より多くでる

バリが段々とひどくなってきたら、工具が磨耗してきているサインです。

 

工具が磨耗してくると、刃先の切れ味が落ちるため材料をキレイに削ることができなくなってきます。

このことから、バリが徐々にひどくなってきたら刃先が磨耗していないか目視で確認するのがいいでしょう。

 

切削面がくすむ

エンドミルで切削した部分に光沢がなくなってきて、くすみがでてきたら刃先が磨耗してきている証拠です。

 

バリもそうですが、切削面もくすんでくるというのも磨耗が原因のことが大半。

くすみがでてきたら工具の再研磨を検討しましょう。

 

切削面がむしれる

切削面がむしれるような形になっている場合も、刃先の磨耗が原因の可能性が高いです。

 

ですので、最初はむしれていなかったのに、むしれはじめたら工具の交換を考えましょう。

 

異音がする

エンドミルで加工していて、異音が仕出した場合はエンドミルの磨耗が原因のことがあります。

 

加工条件によっては、異音がなる場合がありますが、加工していて徐々に異音がひどくなった場合や、急に異音がひどくなった場合はまず、刃先の磨耗を疑うべきです。

 

エンドミルの再研磨は専門再研磨メーカーで

エンドミルの再研磨について解説してきました。

 

底刃の再研磨はもちろん、外周刃の再研磨、他にも形状を変える特殊研削などにより、

エンドミルのリサイクルだけでなく、加工効率を大幅にアップさせることができるようになります。

 

お手持ちの工具の再研磨で悩んでおられるのであれば、まずはエンドミルの再研磨専用メーカーにご相談頂くのが一番です。

» エンドミルの再研磨専門メーカー

 

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