こんにちは、ドリル・エンドミルなど切削工具の再研磨をしているツールリメイクです。
みなさんは、管用タップを使用したことはあるでしょうか?
管用タップは、雌ねじを加工するための道具の一種です。
そんな管用タップの種類や、加工の用途、再研磨の方法などについて、今回は解説していきます。
管用タップは配管類の接続・結合につかわれる
タップには様々な種類がありますが、管用タップは配管類の接続・結合をおこなうねじ穴の加工に使用されます。
管用タップは、大きく分けて管用テーパーねじ用と管用平行ねじ用の2種類があり、それぞれで使用用途が異なります。
管用タップは、ハンドタップのようなタイプとスパイラルタップタイプの2種類があり、加工時に切り子の排出をどうしたいかで使い分けが必要です。
管用タップは、呼び径も通常のタップとは違った呼び方をされるので、最初は戸惑うかもしれませんが、それほど複雑ではありません。
それでは、管用タップの種類と使い方について詳しく見ていきましょう。
管用ねじの種類と使い方
・管用テーパーねじ
管用テーパーねじは、水道管や真空配管などの配管に使用されるものです。
管用テーパーねじは、適正トルクでねじを締めることで、ピッタリと密着してくれます。
本来であれば管用テーパーねじだけでも密着してくれますが、雌ねじと雄ねじの間にシールテープを挟んだり、シール材を塗ったりして、密着度をより高めて使用するものです。
気密性が高いため、水密性や気密性が求められる場所に、管用テーパーねじは使用されます。
・管用平行ねじ
管用平行ねじは、機械部品の接合などに使われるものです。
管用テーパーねじよりも気密性には劣りますが、機械的強度が高いため、強度が優先されるような場合は、こちらの管用平行ねじが採用されます。
気密性には劣るので、Oリングなどのパッキンと組み合わせて使います。
Oリングは消耗品ですので交換の必要があるので注意が必要です。
管用テーパーねじの主な規格
管用テーパーねじの規格を見ていきましょう。
管用テーパーねじの、おねじはISO規格で「R」と呼ばれます。
一方で、めねじは「Rc」と呼ばれるので、理解しておきましょう。
また、旧JIS規格では、おねじ、めねじ、共に「PT」と呼ばれていましたが、現在はISO規格が使用されるようになっています。
通常のタップでは、ミリねじとインチねじがありますが、管用テーパーねじはインチが一般的です。
一般的に、加工の現場では1/8インチを「いちぶ」と呼んだりします。
独特ではありますが、現場で仕事をされる方であれば、下記の呼び名は覚えておくべきでしょう。
・1/8インチ(いちぶ)
・1/4インチ(にぶ)
・3/8インチ(さんぶ)
・1/2インチ(よんぶ)
・3/4インチ(ろくぶ)
・1インチ(いんち)
管用平行ねじの主な規格
管用平行ねじの規格をみていきましょう。
管用平行ねじの、おねじとめねじはISO規格で「G」と呼ばれます。
おねじは加工精度の等級により「A」や「B」といった記号が付け加えられます。
旧JIS規格では、おねじ、めねじ、共に「PF」と表記されていましたが、現在はISO規格が使用するのが普通です。
管用平行ねじも、管用テーパーねじと同じく、インチが使用されます。
例えば、おねじ側のサイズをISO規格で呼ぶときは、「G3/8A」というような表記がされますので覚えておきましょう。
管用テーパーねじはタップ加工の深さも重要
管用テーパーねじをタップ加工する場合は、通常のタップとは違い、加工の深さも重要になります。
加工深さを深くしすぎると、テーパーになっているので、タップ穴が大きくあいてしまいますので注意が必要です。
そのため、加工深さが深いと気密性が損なわれてしまいます。
ですので、加工深さには注意しましょう。
管用タップの再研磨方法
管用タップの再研磨方法は、その形状により異なります。
ハンドタップタイプの標準的な再研磨の方法は、食付きと溝部分を再研磨します。
スパイラルタップタイプは、溝がらせん形状をしているため溝の再研磨ができません。
そのため、先端をカットしてから食い付きを再研磨します。
再研磨可能なタップのサイズは、1/4インチ以上となっていますので、それ以下のサイズは使い捨てとなります。
また、再研磨時のセンター出しのために、刃物の両端部にセンター穴が必要となりますので注意してください。
管用タップの再研磨時期の見分け方
管用タップの再研磨が必要かどうかは、以下の点を基準にしてください。
①工具が損傷したとき
②加工後のねじの寸法精度が不合格になったとき
③加工後のねじの仕上面が悪くなったとき
④切削抵抗が大きくなったとき
⑤切削時のキシミ音が発生したとき
⑥切屑の形状が変化してきたとき
いかがだったでしょうか?
ツールリメイクではタップの再研磨はもちろんのこと、タップのレンタルサービスも行っております。
詳しくは、下記の「現場を変える、切削工具レンタルサービス。」をご覧ください。