こんにちは、ドリル・エンドミルなど切削工具の再研磨を行っているツールリメイクです。
タップには様々な規格があることをご存知でしょうか?
M6、M8などの太さの呼び名や、細目や並目などのねじの細かさなど、タップの規格には様々なものがあります。
利用したいねじが変わってくると、自ずとねじ穴を加工するタップの規格も変わってきます。
今回はタップとねじの規格について細かく紹介していきたいと思います。
ねじには様々な規格がある
ねじには様々な規格があります。
一言にねじといっても、ねじの太さや細かさ、頭の形など規格は驚くほど細かく分かれています。
ねじの主な寸法
ねじの各種寸法
長さ
基本的にはねじの頭から下の部分の長さをのことをいいます。
しかし、皿形状の頭をしているものに関しては、頭の先からねじの先端までが長さと呼ばれます。
呼び径
ねじ山部分の太さのことをいいます。
ミリねじであればM6、ユニファイねじであればUNC3/8、ウィットねじならW3/8、というような形で表記されます。
ピッチ
ねじ山の先端から、次のねじ山の先端までの距離のことで、距離が1mmであればピッチ1.0と呼ばれます。
ねじの呼び径の種類
ねじの呼び径にはいくつかの規格があります。
それぞれが、どのような場面で使われているのかなどを順番にみていきましょう。
ミリねじ
ミリねじは日本国内で最も流通している規格です。
ISO規格を基準にしているため、ISOネジと呼ばれることもあります。
ねじ山の角度が60°で、実際の呼び径の呼ばれ方はM3(エムサン)、M4(エムヨン)、M5(エムゴ)と呼ばれています。
後ほど詳しく解説しますが、ミリねじには「メートル並目ねじ」と「メートル細目ねじ」の2種類があり、ピッチが異なっています。
インチネジ
インチネジには2種類あります。 それぞれ互換性はありますが、ネジの山の角度が違っているため、別ものとして考えておく必要があります。
ユニファイねじ
ユニファイねじは、ミリねじと同じく、ねじ山の角度は60°です。
しかし、ミリねじが径で呼ばれるのに対して、ユニファイねじは25.4mm(1インチ)あたりの山の数で呼ばれます。
こちらも並目と細目の2種類があり、並目のものはUNC、細目のものはUNFという記号で表記されます。
実際の表記例としてはUNC3/8、UNC1/4、UNF3/4というような表記が一般的です。
こちらの主な用途は、航空機、アメリカ製の自動車、パソコン部品などに使用されています。
ウィットねじ
ウィットねじは、現在のJIS規格では廃止されていますが、建築関係や電気、水道関係で根強く利用されています。
ユニファイねじとほとんどかわりませんが、ねじ山の角度が55°となっており、微妙に異なりますので注意が必要です。
表記の記号はWとなっており、実際の表記例としては、W1/4、W3/4というような形で呼ばれています。
管用ねじ
管用ねじ(くだようねじ)は、配管などの密閉性が重要な部分に使用される規格です。
管用テーパーねじと管用平行ねじの2種類があります。
管用テーパーねじ
管用テーパーねじは、特に気密性や水密性が必要になる配管に使用される規格で、適正なトルクで締め付けると、おねじとめねじがぴったりと密着します。
おねじ側の記号はR、めねじ側の記号はRcとなっており、呼び径はインチで表記。
実際の表記は、R1/2やRc3/8というような表記がされます。
管用ねじを使用するには管用タップで空けたネジ穴が必要です。
管用平行ねじ
管用平行ねじは、機械的な結合部分に主に用いられます。
おねじ、めねじともに記号はGと表記され、呼び径はインチで呼ばれます。
実際の表記はG1/4、G3/4というような表記が一般的です。
ねじのピッチ
ねじのピッチには、並目と細目の区別がある規格があります。
並目のほうがねじ山が大きく、細目のほうがねじ山が細かくなっています。
その使い分けについてみていきましょう。
並目
ねじの山が大きいため、ねじ山が潰れてしまう危険性が少ないです。
そのため、ねじに荷重がかかるような箇所で使うのが一般的。
細目
細目の場合、ねじ山は小さくなりますが、接地面積は増えます。
そのため、ねじに振動が加わったりして、外れる可能性が高いような場所でよく利用されています。
細目のねじは加工時に高い精度が必要なため、並目ねじよりも価格は高い傾向にあるので、コスト重視であれば並目のほうがいいでしょう。
代表的なねじの頭部形状
よく使われるネジの頭部形状について紹介します。
なべ
トラス
皿
必ずおねじとめねじは同規格のものを使用しましょう
ここまで様々な種類のねじについて紹介してきました。
ねじを利用する際には、必ずおねじとめねじが同規格のものを使用するようにしましょう。
実際にミリねじとユニファイねじでは、お互いに締め付け可能なものもありますが、強度的には大きく劣ってしまうので、破損してしまう可能性も大いにあります。
取り付けるねじを間違えたことが原因で、起こった事故もたくさんあります。
ねじを取り付ける際には、規格をしっかりと確認して十分注意してください。
加工でお困りの際は切削工具再研磨・製造のツールリメイクまでお問い合わせ頂ければ加工のアドバイスも致します。
ツールリメイクではタップの再研磨はもちろんのこと、タップのレンタルサービスも行っております。
詳しくは、下記の「現場を変える、切削工具レンタルサービス。」をご覧ください。