よくわからないので教えて下さい!!博士!
今回はリーディングドリルの構造や、リーディングドリルの使い方についても、もう少し詳しく紹介していくぞ。
リーディングドリルはどんなドリル?
リーディングドリルは、簡単にいうとドリルの位置決めをしたり、穴の面取りをしたりするドリルです。
リーディングドリルは、スターティングドリルと呼ばれることも多くあります。
リーディングドリルは、通常のドリルとは違いねじれの部分が短く、先端は90°になっています(90°で無いもの存在します).
リーディングドリルは、ねじれの部分が短いことで、ドリルの先端からより短い距離で工具を保持することができます。
このため、ドリルの剛性が高く、精度の高い加工が可能です。
また、先端部分のチゼルエッジが短いため、ドリルの食い付きがよく、この点も精度の高い加工によく貢献しています。
【チゼルエッジ解説写真】
リーディングドリルとセンタードリルの違い
リーディングドリルと良く似たもので、センタードリルというものがあります。
センタードリルの役割は、旋盤加工や円筒研削盤での材料支持です。
センタードリルで加工した穴に、センターと呼ばれる工具を押し当てて、材料の芯がブレなおように支持をするというものです。
センタードリルの傾斜している2段目の部分は、このセンターを押し当てるスペースというわけです。
あくまでもセンター用の穴を開けるための工具ですが、応用が効き使い勝手がいいため、ドリルの位置決めによく使用されています。
リーディングドリルはなぜ必要?
リーディングドリルが必要な理由は、高剛性かつ、チゼルエッジが短いため、刃物の食い付きがいいというところがポイントです。
チゼルエッジには切削能力がありません。
ところが、通常のドリルはチゼルエッジが長く、刃物が食いつくのに時間がかかり、剛性も少ないため先端がブレてしまいます。
そのため、食い付きがよく、高剛性のリーディングドリルで下穴を開けてあげることで、ブレを防ぐことができます。
リーディングドリルの使用用途
ドリルの位置決め
位置決めでの使用方法は、穴あけドリルのチゼルエッジがかわせる程度の穴を、リーディングドリルで加工しておくことです。
こうすることで、穴あけドリルの先端がブレずに材料に食いついてくれるので高精度な加工が可能になります。
このように、ドリルの位置決めに使用するのが、リーディングドリルの主な使用方法です。
面取り
リーディングドリルでは、穴あけ加工をしたあとに利用することで、面取り加工が可能です。
リーディングドリルの径よりも小さな穴に使用することで、簡単に穴に面取りを施す7ことができます。
【面取り図】
穴あけ後にリーディングドリルで面取りを施すことで、穴あけ加工で発生したバリを除去することが可能です。
また、マシニングやフライスでの加工であれば、エンドミルのように横方向に送りを掛ければ、角材材などのエッジにも面取り加工を施すことができます。
位置決めと面取り
位置決めに使用する際に、あらかじめ面取りをする予定の深さまで加工しておけば、位置決めと面取り加工を同時に行うことが可能です。
この加工方法であれば、位置決め、面取りといった加工を2回に分ける必要がなく、加工時間の短縮が可能。
ただし、この方法は穴あけドリルでの加工後に、面取り部分にバリが発生する可能性もあるので、状況に応じて使用可能か判断する必要があります。
V溝加工
リーディングドリルを横方向に送ることで、材料の真ん中にV溝加工を施すことが可能。
加工深さが、ドリルの切れ刃より深くならないように注意する必要がありますが、リーディングドリルはこのような加工も可能です。
リーディングドリルの種類
リーディングドリルには先端の角度に種類があります。
主な先端の角度は60°、90°、120°、140°などがあり、使い分ける必要があります。
使い分け方は、後工程で使用する穴あけドリルの先端の角度よりも大きくするか、小さくするかの2種類。
穴あけドリルの先端の角度よりも大きくする場合は、穴あけドリルのチゼルエッジから接触することになり、中心はブレやすくなりますが、刃の欠けを抑止することができます。
一方で、穴あけドリルの先端の角度よりも小さくする場合は、穴あけドリルの外周から接触するため、中心に拘束されやすくなりますが、切れ刃が欠ける可能性があり注意が必要です。
必要に応じて、リーディングドリルの角度は選択するようにしましょう。
リーディングドリルの再研磨方法
リーディングドリルの切れ味が落ちてきたら再研磨が必要です。
リーディングドリルは、先端の切れ刃部分の研磨を主に行います。
リーディングドリルやスターティングドリルの再研磨は精度の高い技術が必要ですので、リーディングドリルの再研磨専門メーカーに依頼するのが安心です。
以下でリーディングドリルの再研磨メーカーについて確認してみましょう。