切削工具

【エンドミル】不等刃と不等リードはどう違うの?再研磨屋が解説

こんにちは、ドリル・エンドミルなど切削工具の再研磨をしているツールリメイクです。

不等刃と不等リードという言葉を聞いたことはあるでしょうか?

 

不等刃と不等リードは、現代的なエンドミルの形状で、難削材や重切削に適した形状です。

今回は、不等刃と不等リードについて詳しく解説していきます。

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不等刃と不等リードとは

 

不等刃と不等リードと呼ばれるエンドミルは、比較的最近でてきたエンドミルの形状です。

従来のエンドミルにはない特徴を備えており、現在は不等刃・不等リードのエンドミルは増えてきています。

 

不等刃・不等リードのエンドミルは、難削材の加工や重切削に適しているので、これらの加工で頭をかかえているのであれば、不等刃・不等リードのエンドミルの導入を検討するべきです。

 

不等刃

不等刃を持ったエンドミルは不等分割エンドミルとも呼ばれ、その名の通り、一定間隔に並んでいない刃を持ったエンドミルです。

一方で、一定間隔で刃が並んだものを等分割エンドミルと呼びます。

 

均一に刃を持つエンドミルは、安定した加工をできるように思いますが、切り込み深さが深かったりして切削の負荷が高くなってくると、周期的な振動が発生します。

周期的な振動が発生すると、工具にビビリが生じ、加工に問題がでることも。

 

一方で、不等分割エンドミルの場合は、刃が一定間隔で並んでいないため、周期的な振動が発生せず、切削負荷が高い状態になってもビビリが発生しにくい構造となっています。

 

また、刃が均一でないことから、切り屑も散らばって排出される特性があり、切り屑が加工中に詰まってしまったりということが起きにくいです。

不等刃のエンドミルは、基本的には4枚刃以上のエンドミルで採用されます。

 

2枚刃や3枚刃の場合は、不等刃にしてしまうと左右のバランスが悪くなってしまい、高速で回転させたときに、振れが出てしまう場合があります。

4枚刃の不等刃が最も一般的とおぼえておきましょう。

 

不等リード

不等リードは、エンドミルの側面のねじれた溝が、一定角度でないものを指します。

不等リードのエンドミルは、切削時に外周刃が被削材に接触する場所によって切削スピードが変わってきます。

 

これは、溝の角度が変わるため、同じ回転速度でも被削材に接触するスピードが変わるからです。

一見すると安定していないように思えますが、切削時の切り屑が様々な方向を向いて飛散してくれるので、切り屑が詰まってしまう場合などに効果的です。

 

また、切削時のスピードが部位によって違うことから、周期的な振動が発生しにくく、エンドミルにビビリが発生しにくくなっています。

 

このことから、不等刃と不等リードを持ったエンドミルは、工具のビビリを抑制し、切り屑の排出に優れているといえるます。

 

不等刃・不等リードの両方を持ったエンドミルがほとんど

 

不等刃と不等リードは、その両方を併せ持ったエンドミルが大半です。

なぜなら、どちらか一方だけを採用するよりも、両方採用したほうがビビリを抑制しやすいから。

 

不等刃の非周期的な要素と不等リードの非周期的な要素を組み合わせることで、よりビビリが発生しにくくなります。

各刃物メーカーにより、刃の角度やリード角の組み合わせは試行錯誤されており、メーカーごとに個性があります。

 

不等刃・不等リードのエンドミルは重切削に効果的

 

不等刃・不等リードのエンドミルは、様々な加工の中でも難作材の加工や重切削に効果的です。

難削材は、工具にビビリが発生しやすいですし、切り屑の形状がいびつになる場合が多く、切り屑の排出に問題を抱えることも多くあります。

 

そのため、不等刃・不等リードのエンドミルは、難削材の切削に適しています。

また、重切削も同じように、工具のビビリが発生しやすいため、ビビリが抑制できる不等刃・不等リードのエンドミルでの加工に最適。

 

上記のような加工を行うのであれば、不等刃・不等リードのエンドミルも候補に入れてみてください。

 

不等刃・不等リードのエンドミルでもビビリは発生する

不等刃・不等リードのエンドミルは、ビビリの抑制に非常に効果的ではありますが、過酷な切削環境であれば、ビビリが発生する場合があります。

 

ですが、一般的なエンドミルに比べると、かなり切削条件を上げてもビビリを抑制できるでしょう。

不等刃・不等リードのエンドミルが、難削材や重切削に適していることに変わりはありませんので、万が一ビビリが発生した場合は、加工条件を下げるようにしてください。

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不等刃・不等リードのエンドミルも再研磨可能

 

不等刃・不等リードのエンドミルは、再研磨が難しいのでは?と考える方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、不等刃・不等リードのエンドミルも問題無く再研磨可能ですので安心してください。

 

ツールリメイクでは、通常の再研磨だけでなく、刃物の用途によって刃先の形状を変えたりする特殊な加工も行っています。

例えば「重切削をしていたが刃先がよくチッピングしてしまう」

といった悩みをお持ちであれば、エンドミルのコーナーにRをつけたり、ギャッシュを施すことも可能です。

 

刃物の再研磨や形状でお悩みであれば、是非一度相談してください。

 

ツールリメイクではスクエアエンドミルの再研磨はもちろんのこと、ドリルやエンドミルのレンタルサービスも行っております。

詳しくは、下記の「現場を変える、切削工具レンタルサービス。」をご覧ください。

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