エアカット

加工技術

マシニングセンタでの加工前にはエアカットで安全確認

こんにちは、ドリル・エンドミルなど切削工具の再研磨をしているツールリメイクです。

 

作成したNCプログラムを動作させるときは、いつだって緊張するものですよね。

 

「プログラムを間違えていたらどうしよう…」

「高価な工具をぶつけてしまったらどうしよう…」

 

そんなときに使いたいのがエアカットという動作テストです。

今回は、マシニングセンタでのNCプログラムの動作テストに有効なエアカットについて詳しく紹介していきましょう。

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エアカットとは

エアカットは、作成したNCプログラムに大きな間違いがないか確認するための動作テストのことを指します。

エアカットは、本来のNCプログラムよりも高い位置にZ軸を設定し、X軸やY軸の動作を確認する方法です。

 

通常よりもZ軸を高く(+100mm程度が一般的)設定することで、工具とワークの干渉などをあまり気にすることなく、プログラムの動作確認ができます。

NCプログラムのミスでありがちな数字にカンマが抜けていたり、工具の呼び出し番号が間違っていたりといったミスを実際に機械を動かして確認できるため、量産加工前の確認作業としてエアカットは重要といえるでしょう。

エアカットではドライランを使用する場合が多い

エアカットでは、ドライランを使用する場合がほとんどです。

ドライランとは、NCプログラムで設定された工具の送り速度ではなく、機械側で設定した速度で工具を動かしてくれるモードのことです。

 

通常、マシニングセンタの操作盤には、このドライランモードのON/OFFスイッチが搭載されています。ドライランの利点は、工具の送り速度を操作盤で自由に変更できる点にあり、本来はゆっくりとした切削加工であっても、動作時間を大幅に短縮できます。

 

便利なドライランですが、エアカット時にドライランをONに設定したままわすれていたということがありますので、本加工の際にドライランで動作しないように注意しなければなりません。

ドライランがONのまま、本番のNCプログラムを動作させてしまうと工具が勢いよく被削材にぶつかってしまい、工具や被削材、機械にダメージを与えてしまう可能性があります。

ですので、ドライランを使用するのであれば、加工前にドライランのON/OFFは必ず確認するようにしてください。

 

エアカットのメリット・デメリット

エアカットのメリットは、安全確認ができる点につきます。

工具とクランプの干渉であったり、NCプログラムの致命的な入力ミスであったり、様々なミスを目で見て確認が可能です。

 

NCプログラムを手動で入力したり、CAMで出力したプログラムを修正したりした場合はどうしてもミスが発生してしまうものなので、それらのミスを事前に確認できるというのは大きなメリットといえるでしょう。

プログラムのミスが原因で工具や被削材などを痛めてしまうこともありません。

 

一方でデメリットにあげられるのは、エアカットでの確認に時間が掛かってしまうという点です。

何十、何百と同じ製品を加工する量産加工の場合は、エアカットをするだけの価値があるでしょう。しかし、数点だけのかんたんな加工において、エアカットでの確認は時間ばかりが掛かってしまい、生産性が落ちてしまう場合があります。

 

エアカットでの確認は、安全性こそ高めてくれるものの時間がかかってしまうので、エアカットでの確認の必要性はその都度判断したほうがいいでしょう。

 

シュミレーションソフトの発達でエアカットが不要になる場合も

エアカットは、プログラムの安全性を確認するためには重要な役割を担っていますが、シュミレーションソフトの発達によって、エアカットをしなくても安全性を確認できる時代になってきました。

機械の座標や、バイス、材料など、すべての情報を3Dモデルとして入力し、シュミレーションソフト上で動作確認できるソフトも登場しています。

 

ソフト上での検証になるので検証速度も早く、仮に干渉が発生するようなプログラムであってもエラーがでるだけで物理的なダメージがありません。

このようなシュミレーションソフトはまだまだ高価ではあるので導入できるシーンは限られますが、これからもこのようなシュミレーションソフトは発達し続けるでしょう。

 

量産加工の前はエアカットで確認を

量産加工の前にはエアカットでプログラムの安全性をできるだけ確認するようにしましょう。

多少の時間はかかってしまいますが、万が一プログラムにエラーがあった場合のことを考えると十分にメリットが得られる確認作業といえます。

エアカットの存在を知らなかった!という方は量産加工前のプログラムチェックにエアカットを使ってみてくださいね。

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