こんにちは、ドリル・エンドミルなど切削工具の再研磨をしているツールリメイクです。
ハイポイドギアという歯車を知っているでしょうか?
優れた性質を持つハイポイドギアは、車や電車などに利用され、私達の生活を支えています。
そんなハイポイドギアがどんな歯車なのか紹介していきましょう。
ハイポイドギアとは
※ハイポイドギア画像
ハイポイドギアは、アメリカのグリーソン社が開発した歯車です。
ハイポイドギアの特徴は、入力側と出力側の2つの歯車の軸が、平行でなく交わりもしない食い違い軸になっている点と歯筋がらせん状になっている点です。
まがりばかさ歯車とよく似ていますが、まがりばかさ歯車は軸が交差するという点で異なります。
また、ウォームギアともよく似ていますが、ハイポイドギアのほうが動力伝達効率は高いです。
ハイポイドギアは、まがりばかさ歯車とウォームギアの中間的な性質を持つ歯車です。
ハイポイドギアのメリット
ハイポイドギアのメリットは
減速比が大きい
騒音振動が少ない
大トルクに耐えられる強度がある
といった点があげられます。
ハイポイドギアは入力側(ハイポイドピニオン)と出力側(ハイポイドギア)で歯数比を大きくできるため、コンパクトで大きな減速比が得られます。
らせん状の歯筋をしているため、歯の噛合率が高く、噛み合いの際も滑らかで、振動や騒音が出にくいです。
この点はまがりばかさ歯車とよく似ていますが、複数の歯が同時に噛み合う点と歯が滑るように動力を伝達する点でまがりばかさ歯車とは異なります。
この点からハイポイドギアは、まがりばかさ歯車よりもさらに静かに駆動ができるのです。
また、複数の歯が同時に噛み合うことで負荷が分散され、大トルクに耐えられるという点もハイポイドギアの大きなメリットといえるでしょう。
ハイポイドギアのデメリット
ハイポイドギアのデメリットは
- 接触部分が滑るためエネルギー損失が大きい
- ギアオイルが必須
といった点です。
メリットでも紹介したように、ハイポイドギアは歯筋方向にギアが滑る性質を持っています。
この点は、騒音や振動の低減には寄与しますが、動力の伝達ロスになってしまうのも事実です。
また、滑ることにより摩擦熱が発生する点も忘れてはなりません。摩擦熱を抑えるためには、専用の潤滑油の使用が必須です。ハイポイドギアに最適な配合がされたハイポイドギア専用のオイルが販売されているのでそちらを利用しましょう。
ハイポイドギアの使用例
ハイポイドギアは
- 自動車の駆動装置
- 電車の駆動装置
- 減速機
などに用いられています。
いずれも、大きな減速比を利用している点と大トルクでの使用という点で似通っています。
また、騒音や振動が小さいという点でもハイポイドギアがこのような機械に広く使われている理由の一つとも言えるでしょう。
まとめ
ハイポイドギアは、噛み合いがとても複雑な歯車ですが、優れた静音性能や強度から大トルク、高回転のシーンで幅広く用いられています。
一般的な機械設計ではあまり使うことのない歯車ですが、知っておくと機械設計の幅が広がるかもしれませんよ。
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