こんにちは、ドリル・エンドミルなど切削工具の再研磨をしているツールリメイクです。
テーパーエンドミルという工具について知っているでしょうか?
通常の切削加工ではあまり馴染みのないテーパーエンドミルですが、使われるところではよく使われる工具です。
テーパーエンドミルについて、あまり知らない方のために、テーパーエンドミルの種類や使用用途、再研磨の方法など、盛り沢山の内容でお伝えしていきます。
テーパーエンドミルとは
テーパーエンドミルは、通常のスクエアエンドミルとは違い、外周刃がテーパーになっています。
テーパーになっているため、通常の加工では使う場面がありませんが、樹脂成形の金型などの抜け勾配を加工するのに適しています。
スクエアエンドミルで加工した場合は、放電加工などで勾配部分を加工する必要がありますが、テーパーエンドミルを使えば、大半の部分をすばやく加工可能です。
放電加工に比べて、切削で加工ができれば、十数倍もの効率で加工できます。
金型の加工を行うのであれば、抜け勾配にあわせていくつか持っておきたい工具でしょう。
テーパーエンドミルの角度
テーパーエンドミルの角度は、0.5°~30°程度が一般的でラインナップされているものがほとんどです。
金型の抜け勾配にあわせて使用する必要があるので、実際に使用していく場合は様々な角度のテーパーエンドミルが必要になってくるでしょう。
リバーステーパーエンドミルについて
通常のテーパーエンドミルは、先細りのテーパーが付いたものですが、先太りの逆テーパーエンドミルも存在しています。
先太りの逆テーパーエンドミルは、機械部品のアリ溝などの加工に使用されます。
通常のテーパーエンドミルに比べて、逆テーパーエンドミルはあまりメジャーな工具ではありません。
テーパー角度は再研磨で調整できる
テーパーエンドミルのテーパー角度は再研磨で調整が可能です。
通常のラインナップにはない、微妙な角度でも作成ができるので、あらゆる角度に対応が可能。
再研磨での調整できる範囲は幅広く、外周刃のテーパー部分に限らず、底刃など様々な場所をカスタムできます。
テーパーエンドミルの再研磨について
テーパーエンドミルの再研磨は、通常のスクエアエンドミルの再研磨とほとんど変わりません。
外周刃の部分がテーパーになっているのが大きな違いとなります。
再研磨の作業をする箇所や、形状の調整可能な箇所について解説していきましょう。
外周研磨
外周刃の研磨は、通常はランドと呼ばれる最外周の部分を再研磨していきます。
大幅にエンドミルのテーパー角を変更する場合や外周刃に欠けがある場合は、一度すべて研磨してしまい形状を再作成してから、ランドを作っていく場合もあります。
テーパー角の変更のみであれば、外周刃の再研磨のみで終了することがほとんど。
ただし、外周刃の研磨はエンドミルに振れが出やすいため、精度が要求されるエンドミルには施さないことをおすすめします。
底刃研磨
テーパーエンドミルの底刃に関しては、通常のスクエアエンドミルと方法は変わりません。
通常であれば、底刃の逃げ面の再研磨を軽く行って終了ですが、刃先が欠けてしまったりしていると話は別です。
刃先の欠けがある場合は、一度ダイヤモンド砥石やワイヤーカットで切断。
カットしてしまうと、刃の形状を作り直す必要が出てきます。
ですので、加工の用途によって、すかし角やギャッシング、ギャッシュなどをつけたりして形状を整えていきます。
溝研磨
通常は、外周刃のすくい面の研磨はあまり行いません。
ラフィングエンドミルの場合は、外周刃の研磨ができないため、すくい面の加工を行いますが、テーパーエンドミルの場合は、逃げ面の研磨が優先されます。
テーパーエンドミルの管理はしっかりしよう
テーパーエンドミルは、角度が命の工具です。
テーパーエンドミルの角度は細かいものだと0.5°刻みで存在するので、工具の管理を怠るとどれがどの角度だったかわからなくなってしまう場合も…
新品のエンドミルであれば、シャンクの刻印で把握できるかもしれませんが、再研磨したテーパーエンドミルは判断がつきません。
ですので、テーパーエンドミルをいくつも持つようになったのであれば、しっかりと工具の管理はするようにしましょう。
テーパーエンドミルの再研磨はツールリメイクへ
今回紹介したテーパーエンドミルの再研磨の方法は、まだまだごく一部です。
ツールリメイクでは、お使いの工具に対して最適な再研磨方法をご提案させていただきます。
「あまり使っていないエンドミルを改造してみたい!」
「販売されていない特殊形状のエンドミルがほしい!」
というようなことがあれば、是非気軽にご相談ください。
底刃の形状やコーティングなども提案させていただきます。
ツールリメイクではスクエアエンドミルの再研磨はもちろんのこと、ドリルやエンドミルのレンタルサービスも行っております。
詳しくは、下記の「現場を変える、切削工具レンタルサービス。」をご覧ください。